〜目次〜
- 発達障害とは
- 主な症状
- それぞれの対応方法
- 1人1人に合った対応法を
発達障害とは
日本では「発達障害」の定義として以下の3つの診断名があります。
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 学習障害(LD)
それぞれ名前は付いていますが、これらの症状は【併存】していることが多く、一概に「この診断名が付いたからこういう症状がある」とは言えないというのが一番の大きな特徴です。
主な症状
- 自閉症スペクトラム障害
こだわりが強い、常同行動、物事をストレートに捉える傾向、理論的である、抽象的なことが苦手、いつも同じ流れを好む - 注意欠陥多動性障害
多動が激しい(多動がない子もいる)、注意の持続が困難、ケアレスミスが多い
ワーキングメモリーが少ない - 学習障害
読み・書き・計算などの1部の学習能力に困難をきたす
主な対応方法
【自閉症スペクトラム】(ASD)
ASD特性の人は、先の見通しの困難さがあり、スケジュール管理が苦手な人もいます。
時間は目に見えないものですから、想像が難しくなるのだと思います。
そういった抽象的なものや、曖昧な言葉の表現なども苦手で、その原因の一つに【ハイコントラスト知覚特性】という特性があるためだと思われます。
【ハイコントラスト知覚特性】とは、「黒か白か物事を理論的に考える特性」です。つまり、「グレー」が苦手だと言えます。そのため、何かを行なって欲しい時などには
- これとこれがこうなっているから、こうなんだよ
- それは違うから、こうした方がいいよ
などのような、具体的で、分かりやすい言葉で説明してあげることが大切です。
スケジュール管理が苦手ということは、急な予定変更が苦手とも言えますので、
- 今日はこれが終わったらこれがあるからね
- これの次にはこれがあるよ
- もうすぐおしまいの時間だよ
などと、時間配分を分かりやすく提示してあげます。イラストなどがあるとより分かりやすいでしょう。
【注意欠陥多動性障害】(ADHD)
文字の通り読むと、とても多動があって、注意に欠けていて、集中出来ないようなイメージがありますが、実はそうではありません。
多動がない人も注意欠陥多動性障害と診断を受けることがあります。
【注意欠陥とは】
注意を向ける対象が1つに絞られやすく、注意の持続が困難な特性
【多動性とは】
脳の神経伝達物質の量が不足しているため、自分を抑制する力が弱く、制御コントロールが効きにくい
そのため、
- 今から◯◯の話をするから聞いてね
- 脳の活性化を図る(ゲームや計算など)
- 長い時間の集中は困難になるため、少しずつ課題をこなす
などの対応が有効です。
注意をこちらに向けてから話す、クイズ形式で遊びながら課題を出すと良いでしょう。
また、脳の「報酬系回路」にも弱さがあるため、未来の自分に対して予測し、今を努力する、ということも苦手です。
「今出来ていること」に注目してあげて、スモールステップで小さな事でもたくさん褒めてあげましょう。
【学習障害】(LD)
学習障害は、ある程度「書く、読む」ことが出来るようになって気づかれることが多いので、診断が遅れることがあります。
学習障害は、読んだり書いたりすることが苦手、と思われがちですが、実はそうではなく、
【読みは出来るけど書くのは苦手】とか、
【書くことは容易に出来るけど読む時に躓く】など、
どれかいずれかの能力に支障をきたすのが学習障害です。
また、この症状では見える文字や聞こえる言葉が、定型の人と違うことがあるため、例えば書字障害で、いわゆる逆さ文字を書くことがあれば、その人からは逆さに見えているので逆さに書いてしまうのは当然、なわけです。
ですので、「なんで逆さに書いちゃうの!?」などという詰問は厳禁です。
まずは、その人が何に対して苦手なのか症状をよく見極めることから始めましょう。症状が分かったら、その人に合うやり方を周りの支援者が模索することが大切です。
下記はあくまでも例ですが、
- 枠内に字が書けない場合は枠を大きくし、徐々に小さくしていく
- 計算が苦手な場合は、おはじきやコマを使って丁寧に説明する
- 読むのが苦手な人は、ふりがなを振る、段ごとに区切る、文章に合ったイラストなどを用意する
などが効果的です。
1人1人に合った対応法を見つける
上記はいずれも個々の場合の対症方法ですが、先にも書きましたように、これらは併存していることがほとんどです。
どのやり方が1番良い、ではばく、【この人にはこんな方法が良い、合っている】という方法が必ずあります。
その方法を見つけて行くことがとても大切です。
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