子どもの心に寄り添うレッスンとは〜指導者が知っておきたいストロークの視点〜

目次
子どもの成長とピアノレッスンの関係性
今日は心理学的なお話で…エリック・バーンの「交流分析」で出てくる「ストローク」について書かせていただきます。
先日、認定講師の先生方とオンラインにてお話していたのですが、その時に「子どもの成長」とか、「親御さんの子育てについて」とか、そんな話になりました。
ピアノ講師はどうしても子ども向けのレッスンが多くなりますから、親御さんとの対話は必須です。
親御さんと先生との関係がうまくいかないとね…と、リアルな話も…
そんな中で、子どもの心理状態は知ってあげたいよね、みたいな話になりました。
何か悩んでいそうな感じとか、落ち込んでレッスンに来たとか、ポロポロ泣き出してしまったとか…
これもレッスンではあるあるなんですが、そんな時に「頼れるピアノの先生」になりたいと思われる先生は多いんじゃないかなと思います。
エリクソンの発達課題とレッスン現場
以前も同じようなことを思って、noteに書いていました。
ここでは、エリクソンの発達課題についても記載してました。(わかりやすく書かれてるのはここかなぁ…)
そうそう、これってピアノレッスンに重要じゃない?と改めて思いましたね…
エリクソンは、それぞれの年齢に応じて「発達課題」があると提唱し、その課題をクリアしていく必要があるとしました。
仮にその「課題」を残したまま大人になると…社会生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
例えば自己肯定感が低くなる、対人関係との不安定さなど…
ですので、子どもと接する機会が多い私たちが、この年齢に応じた「発達課題」にしっかりと対応できてるかできてないか、生徒さんの様子を探ってあげることができるんじゃないかなと…
そしてもし十分に対応できていなかった場合は、私たちにも何か少しでも手助けしてあげることができるんじゃないかな…
交流分析における「ストローク」とは
先に挙げましたエリック・バーンの「交流分析」の中で出てくる「ストローク」とは、
他人の存在を認め、その認めたことを表す言動で、「私はあなたの存在を認めています」というメッセージのやり取り
なのだそうです。
「ストローク」には、いろいろ種類があって、大きく分けると「プラスのストローク」と「マイナスのストローク」があります。
「プラスのストローク」とは、ペクス®️の中でいうといわゆる「人的強化子」だと思います。つまり、褒め言葉やハグ、笑顔、頷き、などがプラスのストロークです。
一方で「マイナスのストローク」はそれらの反対ですね。つまり、相手を罵ったりけなしたり、いわゆる暴力的な行動もマイナスストロークになります。
驚くことは、ストロークには法則があって、
マイナスのストロークであっても全くもらえないよりはマシ
なのだそうで、つまり「たとえマイナスのストロークであっても、それを求めてしまう」んだそうです。
それも、時に人は「自分では無意識のうちに「マイナスストロークを得られるような言動」に出る」ことがあるのだとか…
これはちょっと、びっくりですね。
ストロークとは、「水や空気と同じように絶対必要」なもので、人は「人とのふれあいなしにいきていけない」のだ、としています。
なぜ人は“マイナス”でも求めてしまうのか
これを、先に出てきた「エリクソンの発達課題」に当てはめたとします。
とある子どもが、エリクソンの提唱する「年齢に応じた発達課題」を乗り越えるために必要な「プラスのストローク(人的強化子)」を得られずに、マイナスのストロークばかりを浴びていたとしましょう。
すると、「マイナスのストローク」がその子にとって、「傷」や「トラウマ」となり、心に深く残ってしまいます。
「傷」や「トラウマ」は、大きく深い穴のようなもので、いつしかその「穴を埋めよう」と、無意識的な行動にでることがあります。
深い「傷」や「トラウマ」は、溜め込みすぎると抱えきれずにいつしか溢れ出してしまいます。
それが、外在的に表に出ることもあれば、内在的に内に秘めてしまうこともあります。
その中の1つの行動に、「もらえないよりもまし」となることがあり、「マイナスのストロークであっても得よう」としたりするのだそう。
条件付き・無条件のストロークの違い
実は「プラスのストローク」が得られた、と感じることができるのは、「無条件の人的強化子」である時だけなのだそうです。
無条件、ということは、「条件付きのストローク」もあるということ。
さらにもっと細かくみていくと、「条件付きのプラスストローク」もあれば「条件付きのマイナスストローク」もあるし、「無条件のマイナスストローク」もあります。
条件付きのプラスストロークとは
いわゆる「良い子ね」「あなたはできる子」などと「常に良い子」と言われるようなパターンです。
こういう場合、将来的に「良い子でいなきゃ」と「良い子を演じる」ようになることもあります。
その他にも、「これくらい大丈夫でしょ」「我慢できるよね」などの声掛けも、我慢しなくちゃいけないと感じてしまいます。
条件付きのマイナスストロークとは
「勉強しないとおやつなし」とか「課題ができないとダメな人間」などと言われるようなパターン。
「勉強」という条件をしないと、さらに「ご褒美なし」とダブル否定文を言われてしまってますね。
その他にも「片付けないとご飯ないよ」とか、「勉強しないとゲームやらせないよ」などの声掛けも同じ。
無条件のマイナスストロークとは
「男の子じゃなくて女の子が欲しかったのよね」とか、3人目の子に対し「子どもは2人が良かったな」など、その子の存在そのものを否定してしまうようなパターン。
その他にも、「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」とか、「手がかかる下の子ばかり相手にしている」という状態も、自分の存在を無視されていると感じてしまい、自分は必要ないのだと思い込んでしまうこともあります。
いずれも、「ありのままの私」は、閉ざされてしまいます。
ストロークと依存の関係
「無条件のマイナスストローク」を受けた人は、依存症に発展することが多く、「条件付きストローク」を受けた人は「共依存」に発展すると言われています。
(全員ではないのかもしれませんが…)
つまり、先日書いた記事「承認欲求が強くなるのはなぜ?」「ゲーム依存は承認欲求?」にある、「承認欲求」が強くなる原因も、どうやらこの「ストローク」にありそうです。
子どもの頃に受けた「ストローク」が、大きくなった時にこういうことにも影響が出てくる可能性があるんですね。
ピアノ講師が届けられる「無条件のプラスストローク」
やはり私たちはレッスンをしていて確実に「無条件のプラスストローク」を意識した方が良いことがわかりますね。
無条件のプラスストロークとは
「ありのままのあなたでいい」「あなたはここに存在していて良い」など、その人の存在価値そのものを認めてあげること。
私たちはご両親の愛にはかないません。ですので、できるならご両親からの「無条件のプラスストローク」をあげてほしいと思いますが、
私たち子どもに接する機会が多いピアノ講師にできることは、まだまだあるのではないかなと改めて思いました。
最新の投稿はこちら
最新のレッスン空き情報はアメブロから


