レッスン風景,  日々のつぶやき

見えない音の“高い・低い”をどう伝える?

 
 

子どもが“高い音=小さい音?”と言う理由

 
ピアノを始めてからまだ数ヶ月の生徒さんの中で、時々こんなことを言う子がいます。
 
“(高音を弾いて)こっちが小さい音で、(低音を弾いて)こっちが大きい音だね”
 
あながち間違いではないかもしれません。高音域の方が弦は短く細く、低音域の方が弦が長く太くなっていますから、物理的には低音の方が大きい音が出るとは思います。
しかし、ここでピアノ講師が教えたいことはそうではなく、「高い音、低い音」を教えたくなるのですよね。
では、どうやったら「高音域が”高い音”で、低音域が”低い音”」と教えたらいいのでしょう。
そもそも、音の「高さ」ってなに?音の「高さ」が目に見えるわけではないですよね。
なので、子どもにとってはちんぷんかんぷん、なんだと思います笑。
さて、どうしましょうか。
 
 

音の高さは“見えない概念”だからこそ難しい

 
リトミックでは身体全体を使ってレッスンしたりしますよね。
他にも、最近のテキストでは鍵盤の絵が描いてあったりして、そこに「右(高音)は高い音」「左(低音)は低い音」とか、すでに書いてあるものもあります。
でも、それだけ見ても「高い低い」は、耳に入ってくるものを判断しなきゃいけないわけですから、「あーこっちが高いのね、低いのね」と言われただけで、高音低音が身に付く?ものではありません。
 
 

まずは“目に見える違い”から育てる

 
高いか低いか、というのは、ある意味「比較的な概念」になります。
「比較的な概念」が身に付くためには、まずは目に見てわかるものの「違い」がわからなければなりません。
 
楽譜の場合、先日の記事にも書いたように、まずは「楽譜の中のマルだけを探す」分類分けをしたあと、「じゃぁこれとこれ、どう違うの?」と、「黒丸(四分音符)と白丸(二分音符)」の違いを子どもに発見してもらいます。
すると子どもは「棒は変わらないけどマルが黒いのと白いのと」と、見つけられるでしょう。
 
他にも、例えば大きい折り紙と小さい折り紙、長いお箸と短いお箸、などは、目に見えてわかりますので、教えることもできそうですね。
 
 

見える高低差から、音の高低へ橋渡しする

 
そして目に見えない「高い低い」は、まずは「高いビルと低いビル」とか「背の高い大人と背の低い子ども」などのように、これも「目に見える高低差」が理解できてからじゃないと、音の高音域も理解できないです。
 
また、先ほどの「四分音符と二分音符」の違いは、色だけでなく今度は音の「長さ」まで違ってきます。
この音の長さの違いは、実は時間感覚なんですね。なので、時間的な概念が身についてからじゃないと、伝えても理解ができない可能性があります。
 
このように、1つのものを教えるにしても、分解して分解して、発達段階に沿って教えて行く必要があるんですね。
 
 

焦らず段階を踏む大切さ

 
音楽の学びは、ただ正しい知識を伝えるだけではなく、子どもが自分の感覚で世界を理解していくプロセスそのものです。
だからこそ、

  • 子どもの発達段階を理解すること 
  • その段階に合ったアプローチを選ぶこと 
  • 子どもの自然な反応を尊重すること  

が欠かせません。
 
「高い音・低い音」を教えるという小さなテーマの中にも、子どもが世界をどう捉え、どう成長していくのかという大きな視点が隠れています。
講師がそのプロセスを丁寧に見守り、必要な“階段”をそっと置いてあげることで、子どもは自分の力で音の世界をひらいていくでしょう。
 
 


 
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