子どもが登校していない教室と机

不登校の子どもたちの心の声

子どもが登校していない教室と机

 
 

 
文部科学省が2009年に行った調査(中学3年生17000人に対する調査結果)によると、発達障害児の高校進学の割合は、75%。これは、一般児童の進学率98%と比較すると、20%以上低い数字となっています。

また、2007年から2009年までに厚生労働省研究班が行った結果によると、引きこもり相談者184名のうち149名(80.9%)に何らかの精神疾患が認められ、そのうち48名(26.1%)が発達障害と診断されているという結果も出ています。

なぜ、発達障害の子どもは引きこもりになりやすいのでしょう。

発達障害と引きこもりの関係グラフ


 
発達障害の子は、周りから「目に見えやすい特性」と「目に見えにくい特性」があります。
例えば「目に見えやすい特性」で言えば、多動がある、落ち着きがない、目が合わない、発語が出ない、1人遊びが多いなど、
周りから見てもわかりやすい特性がある一方で、「目に見えにくい特性」は、感覚過敏(例えば匂いに敏感だったり光が眩しすぎたりする)、曖昧な表現が苦手(白黒はっきりさせない言葉は理解ができない)、空気が読めない(静かにしなければならない場所で暗黙の了解が理解できない)など、人の目からは分かりにくい特性があります。

これらの「目に見えにくい特性」を周りの大人が見極めることはとても難しいです。なぜならば、例えば「蛍光灯の光が眩しい」人は、それが当たり前の世界なので、わざわざ人に「眩しい」とは言わないと思います。
『今日私朝ごはん食べたんです!!』とごく当たり前のことをわざわざ口にしないのと同じで、「私すごく眩しいんです!!」とはわざわざ報告しないでしょう。
ですので、まさか自分の「眩しさ」が自分だけ感じていたことだとは気づかずに過ごしていて、「みんな当たり前に眩しいのだろう」と思っていると思います。
発達特性は、こういった「目に見えにくい特性」があるのです。そして、そういった人の方が、自分でも周りでも気づかずに成長し、どことなく「生きづらさ」を感じてしまうことも少なくありません。
 
 


同じように、学習面でも周りからは気づかれにくい特性があります。
例えば、「多動は少ないけれどADHD」だった人が、注意をどこに選択して良いか分からずに、「黒板の文字」だけに注意をしてしまったとします。先生は、「ここの黒板に書いている部分がテストに出るよ」と言ったのに、先生の言葉には注意がいかずに、聞き逃してしまいます。
そして、テストに出てきたのに書けなかった、というようなパターンは多いと思います。
その点数だけを見ると、親や周りの大人は「ダメ」という絶対評価をしてしまいがちです。
本当は「注意が向けられなかった」だけなのだから、「注意しなければならないこと」を事前にその子が知ることができて、周りの大人のサポートがあって、「先生の言葉にも注意をしましょう」と教えてあげることができれば、その子はテストで点が取れたかもしれないのです。

こうして、「学習面で遅れてしまった」「テストで点が取れなかった」子たちが、周りの大人からの「絶対評価」のもと、成績が下がってしまうのです。(これだけが原因のすべてではありません)
 
 

 
 学校に行かない子どもたちは、なぜ「行かれなくなってしまった」のでしょう。
それは子どもたちの心の声なのだと思います。言葉にできないもどかしさを「不登校」という形で伝えようとしているのだと思います。
 
音楽は、その「言葉にできない想い」を表に出すことができる手段だと思います。
自分の中に取り残されている、さまざまな葛藤を、「音」に乗せることができ、それを受け止めてくれる人がいたら、きっとどこか新しい道を見つけ出せるのではないかと思います。

そんな思いもあって、「発達障害の子どものためのフリーミュージックスクール」の開講を決意いたしました。
明日の未来は、今の子どもたちが背負っています。
そんな子どもたちの笑顔のために、少しでもお手伝いができれば嬉しく思います。
 
 
 
 




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